僕は、沖縄で店舗をデザインする仕事をしています。
仕事の合間、こっそり考えてたことがあるんです。
SNSのコメント欄って、誰かのひとことにふと返したり、思いがけない出会いや、話が転がり込んできたりする。
それって、Barのカウンターみたいだなあって。
だったら、そこに本当にお店をつくってみようって思ったんです。
小さい頃から、映画と本が大好きだった私は、ちょうど自分でも創作活動をしてみたいと思っていました。 だったらそこを本屋さんにして自分の本をならべて、自由に楽しんでもらおう!
大好きな映画と本好きが集まるバーもやろう!
看板もない、小さな地下の店。
アンティークと個性豊かな絵本が並ぶ本棚。
週末の夜だけ店内に現れる、本と映画好きのための隠れ家バー。
お店で起きた小さな出来事も、物語として綴っていこうと思います。
「プロローグ」

私の事務所と、地下へ降りる外階
【今日、海が見える絵本カフェがオープンします。】
「この場所を絵本カフェにできませんか?」
最初にそう言われたのは、私の仕事場である設計事務所の地下でした。
古びた空き部屋。湿った空気。けれど、海の音だけは、どこか凪いで優しかった。
館長の口から、夢の欠片が溢れ出る。
「海が見えるように、壁を一部壊してほしい」
「絵本を表紙が見えるように、できるだけ沢山並べたい。」
「いつかバーもやりたいので、カウンターは、半円形で。お客さん同士が、自然に話せるように」
「絵本との出会いや、ここでの会話が、
誰かの日常をほんの少しでも特別なものにできたら…」
私は設計を引き受け、施工まで仕上げました。
波の音と本の匂いが心地良い、あたたかみのある場所に仕上がったと思います。
今日ここから、新しい物語が始まります。


▼お店へと続く階段はこちら
https://www.instagram.com/gucci_tokoton_story